【Tさん】私の親プロ(親プログラム)体験記③


<<長男の変化>>


最初は、牛田先生のやり方は

これっていいなりなんじゃないか、、、?

甘やかしなんじゃないか、、、?

どうしようもない子になるんじゃないか、、、?

と、すごく不安だったのですが、


でも、むしろ逆で、

子どもの心の弾力がどんどん上がっていくのを感じました。


気がついたら、親プロが終わった後には、

二人の間の空気感や関係性も、すごく変化してました。


①我慢の力がついた

一番ないと思っていた”我慢の力”がすごくついてきました。

一番苦手だった”待つ”ことが、できるようになりました。

自分の思い通りにならなかったり、予定どおりにならなくても、

癇癪が起きなくなりました。


むしろ、「いいよー^^」「わかったよー^^」と余裕で言ってくれるようになりました。

今では、癇癪してる子供の顔すら想像できません。


今はクラスでも一番落ち着いているし、優しいよと言われるくらい、

学級委員を任されるくらいにしっかりした子になっています。


②優しくなった

私との関係がよくなったこと、嫌な気持ちの時間が減ったことで

気持ちに思いやれる余裕がでてきたのか、

ものすごく優しい子になりました。

私にもとても優しいです。


あと、長男の偉そうな口調がなくなりました。

私は、長男の偉そうな口調をきくと

「こいつ、親をなめてる!立場をわからせないと!」っと、

焦りや怒りがあったのですが、

でも、そういう表面のところに、いちいち突っ込まず、

こっちからの小言をやめたり、困った時に気持ちよく助けたり、

気持ちに寄り添ったりしていたら、

兄弟の中で、一番、礼儀正しい子になりました。


下の子が、冗談でも私に失礼なこというと、

「おい!ママに失礼なこというな!」って怒るくらいです。

それは

私のことが怖いから、ではなく、

私のことが大好きで信頼してるから、

嫌な気持ちにさせたくないんだなと感じます。


今思い出してみると、親プロのときに、先生が

「教える、脅すは、必要ない。

それよりも、この人が好き、この関係を壊したくない、

と思えるような、心のパイプを二人の間につくることがまず大事。」

とおっしゃっていたのですが、

それは本当だったな。

と今は思います。


③パニック、不安感がなくなった

当時は、本当に小さいことで、不安になったりパニックになっていました。


例えば、

朝起きたときに、私が隣にいない!

知らない間に私が隣の部屋やトイレにいってる!

それだけでパニックになって、おさまりませんでした。


正直、私はこれはただの”自己中”または”特性”だと誤解してましたが、

それは、長男の不安感が高かったからだ。と後で分かりました。


とりあえず、こちらができる範囲で

ぎゃー!っとならないよう工夫して、地雷もなくして、

まずは安心した生活を心がける、

親子のいい関係性をつくることで、

徐々に不安感が減っていき、

今では癇癪もパニックもゼロで、気持ちがどっしりしてきました。


今では別人のようで

あれはなんだったんだろう、、、と思います。


④過敏がなくなった

特性なのかと思っていた、聴覚過敏や感覚過敏だと思っていたものが、

気がついたら全部なくなってました(笑)


これも、精神的な不安感の高さから出ていたのだと分かりました。


関係を変えたことで今はゼロになりました。


⑤チック

小1から始まっていた、重症のチックが薄くなっていきました。

症状自体はなくなるまでは数年はかかりましたが、今はなくなりました。


親プロ中に、チックのことを気にしていた私に、先生が

「表面の症状なんて、どうでもいいの!その時の子どもの心の奥の揺れ動きを見る!」

といって下さり、それ以降は、チックがどうこう、、の部分は

私の中では透明かのように見てみないふりをしました。


もちろん最初は気になっていましたが、

”チックがない子”を目指すのではなく、

とりあえず、”チックがある、でも、幸せで満たされてる子”を目指そうと

私の中で割り切ったのが、個人的には良かったなと今は思います。


⑥服薬

小さい時に、ADHDだといわれ服薬もしていた長男でしたが、

牛田先生のいうとおり、長男はADHDではなかったんだなと、分かりました。


親プロ中、長男の様子の変化をジワジワ感じ、

この薬、本当にいらないのかも、、、

確かにADHDではないわ、、、と思い、

親プロ4ヶ月目に服薬をやめました。


服薬しなくて良くなった、というより、

服薬は必要がなかったんだと分かりました。

それからは飲んでませんが、全く支障はありません。


授業も集中してきけるし、成績もよく、

あれはなんだったんだろう、、、?と思います。


⑦苦手なことに挑戦するようになった

・嫌いだった食べ物も、気がついたら、普通に食べるようになっていました。

・荒れていた時は、お風呂を嫌がり、数日意地でも入らない時があったのですが、


気がついたら、お風呂大好きな子になってました。

(あれ?いつのまにか毎日入ってる!)びっくりしてきいたら、

「だってお風呂って気持ちいいもん♪」といってました。


・歯医者も絶対に行かないといって、予約→ドタキャンを繰り返していました。

気持ちが落ち着いてきた後、自分から、

「歯医者を予約しておいて。」といってきました。


「虫歯痛いの?」ときくと、「痛くないけど、早く治しといたほうがいいし^^。」と言ってきてびっくりしました。


・ゲームの制限をなくしていたので、不安でしたが、

スポ少で野球を習いたいと、野球を習い出したり、いろんな趣味もやりだしたりしました。

この子は、させないとなにもしない、堕落する、嫌なことから逃げる子になる。

と、すごく思っていました。


でも牛田先生が、

「させるをしない」

「嫌いにさせない」

「させられたくない、という変な葛藤をつくらない」

「まずは関係を良くする」

「子どもには、よりよくなりたいという本能があるよ。大丈夫よ。」

とおっしゃていたのは本当だなと実感しました。


あと、補足になりますが、先生がよくおっしゃる

「こどもにも、させるをしないけど、お母さんも、誰かにさせられるをしない。

誰かにさせられていると、誰かにしたくなる。自分がどうしたいのか、自分で決める。

そこが大事。」

というのも、今になって本当だなと実感しています。


<<私の変化>>

以上が、子どもの親プロ後の変化です。

一方、私の変化というと、

もちろんいろんな対応を学びましたが、


一番大きくて嬉しい変化は、

子どもを可愛いと思えるようになったことです。


長男が機嫌悪いことがあっても、私は動じないし、

どんなときでも、「この子はいい子」って心から思えるようになったことです。

そこが一番大きな変化で、私にとって幸せなことです。


その長男への視線が、またいいスパイラルになっていると思います。


それまでは、普段は可愛くても、

癇癪やパニックになったら、すごく怖かったし、

やっぱり無理!と思っていました。


でも、親プロの途中、親子関係に、変化を感じることがありました。

ある日、いつもの通りに癇癪おこしていたのですが、

私は内心、

「そんなことしてても、本当はいい子ってわかってるよ。

本当は、こんなことしたくないのも分かってるよ。」

と思っていて、それが相手に伝わってる感じました。


長男も癇癪しながら、

「僕がこんなことしても、ママは僕が本当はいい子だって分かってくれてる。

僕のこと好きでいてくれてる。」

とホッとしたのが伝わってきました。


そのときのイメージとしては、

一見、水の上で溺れてバタバタしてるように見えて、

水の下では手をつないでいるような、そんな感覚でした。


親プロに初めて電話した時に、「大事なのは親子の信頼関係ですよ」

と言われたのは、もしかして、こういう感じなのかな?

と、そのときに思ったのを覚えてます。


質のいい時間を増やす一方で、

私の長男への眼差しが変わっていくと、

どんどん癇癪の大きさが小さくなり、

頻度も少なくなり、

気持ちの切り替え時間も短くなっていきました。


それまで、いくら叱っても、説明しても、

癇癪や手を出すことをやめれず、口より手が先にでていたのに、

いつのまにか、手を出さずに、

普通に「これが嫌だったんだ、、。」と

最初から口で言ってくれるようになりました。


今では、癇癪とかパニックとか起こしている長男の顔を

想像もできません。


<愛情かけてるとおもっていたけど、、、、>

私はずっと、私は子どもに愛情をかけてると思ってました。


育児本もたくさん読んでいたし、

遊びにも限界まで付き合っていたし、

言えるときはなるべく「あなたのことが大事だよ」と、言葉にして伝えていました。


でも、長男は、私の「大事だよ」という言葉が、

信じきれなかっただろうなって思います。


たぶん、

「お母さんは僕のこと、大事だというけれど、

僕が一番しんどい時、癇癪やパニックのとき、本当に悲しいとき、

わかってくれないどころか、攻撃してくる。

日々、細々と嫌なことをいってくる。」

と思ってたんじゃないかなと思います。


それが親プロを通して、子供の気持ちを想像するようになって、

お互いに無駄なことで心をすり減らすこともなく、

信頼できるようにもなって、

お互いの言葉が普通に伝わる、

今は、いい関係ができてるなーと感じています。



<<今振り返って思うこと>>


私は親として何も悪いことしてるつもりは、ありませんでした。

普通に育ててるつもりでした。

悪いことしたら叱る、当たり前のことだ。

それがしつけでしょ。

全ては子どものため。と思っていました。


だけど気がついたら、訳の分からないところにいました。

子どもは、当初イメージしてたものと、違うものになってました。


他の親子は、笑顔で子育てしてるのに。

なんでこんなことになってしまったんだろう?

周りの子よりも、我慢ができない、やりづらい。

私だって、こんなに一生懸命やってるのに。


いつのまにか、一緒にいるのが嫌になっていきました。

この子がもっと言うことをきけば、

私もいいお母さんでいれるのに。


この子は、他の子とは違うんだ。

と思ってました。


でも本当に同じでした。

同じ”心”をもってました。

親プロで私が学んだ一番大事なことは、子どもにも心があるということです。


私は、育児本もたくさん読んでいたので、

子どもに心があるということくらい、

当然分かっていたつもりだったけど、

本当のところは、全然分かっていなかったなと思います。


にらまれたら辛いし、

他の子の方が可愛がられてたら悲しいし、

にっこり笑ってくれたら嬉しいし、

どんな悪態ついていても、

悲しいくらいにママのことが大好きだし。


<今悩んでいるママへ伝えたいこと>

たぶん、私の体験談を読んでも、

誰かの体験談を読んでも、

(私と、このママは性格が違う。)とか、

(環境が違う。)とか、

(子どものタイプが違う。)とか、

(うちの子どもはそこまでしない。)とか

(むしろ私を怖がっていて、いうことをきく。)とか、

いろいろ違うと思います。


実際、親子によって、それぞれ違います。


なのに、

私は、育児の答えを、

本やセミナーなど、

外に探していました。


けど家の中、自分と子どもの間に、

答えがあったんだなと今は思います。


育児に困った時は、

子どもが何人かいても、それぞれが違う人間なので、

一人一人の表情をみて、反応を見て、

今、この子は、どういう風に感じているんだろう?

自分だったら、同じことされたらどうかな?

もしかして、子どものストレス耐性が低くなってないかな?

と、それぞれの子どもをよくみたり、

気持ちを想像してみるといいなと思います。


あと、自分のことを振り返ることも大事だなと思いました。

私はどういうときに子どもを攻撃してるのかな?

どういうことに心がザワザワするのかな?

そうしなかったら、どうなると思ってるのかな?

誰の視線や、誰の評価を気にしてるのかな?

何が怖いのかな?


と、一歩立ち止まって、自分の気持ちを考えるようになりました。

それだけで、攻撃や叱ったりすることが

減りました。


また、子どもと自分の間の空間を、意識するようになりました。

やりずらいなと思ったら、

今、二人の間の関係性はどうかな?

二人の間には、どんな気持ちが行き来しているのかな?

と思うと、子どもによって、全然対応が違うなと気がついきました。


あと、

私には、「~させたい」が今あるけど、

この状況で、それが本当にそこまで大事なことかな?

二人の間の境界線を越えてないかな?

子どもを自分の手足みたいに思ってないかな?


バシン!と言っちゃいそうなら、

そうしないために、私に何か工夫できないかな?

どんなことが楽しい時間かな?

そういう時間、増やせないかな?

と、今までとは違った角度で

親プロの先生がおっしゃる視点で、

ちょっと一歩引いて、全体図をみてみるだけでも、

子どもを見る目が変わってくるのではと思います。


そういうことって、

家庭や相手によって、それぞれに向き合って見つめてみないと

見えてこない所なので、

正直、めんどくさいところかもしれませんが、

ちゃんと向き合ってみると、

根性論ではなく、根本から変わっていけるので、

やる価値ってあるなと思いました。


あと、させるをしない、とか、怒らなくていいというと、

まるで聖母マリア様みたいにならないとダメなのか

そんなの続くのか、、、?と思っていたけど、


全然そうではなく、むしろ逆で、

今の私の方が、力が抜けてて、素直にいいたいこといえて、

人間らしくて、すごく楽になりました。

親がいいなりみたい、、、と思っていた私でしたが、

そうではなく、親が100%権利をもつんだ、持っているんだ、

というのも

今なら、やっと意味がわかるようになりました。


そのためにも、いい関係をまずつくるというのは

親子にかかわらず、夫婦関係でも、なんでも大事だなと感じています。


<本当の子どもの姿>

長男は、癇癪などで荒れてるとき、とても扱いづらく、

まるでトゲトゲの沢山あるモンスターのように感じてました。

一度癇癪を起こすと、大人の私でも、どう扱っていいのかわかりませんでした。


でも、親プロ中、

長男のモンスターの着ぐるみの

後ろのチャックを、そーっと開けてみると、

「本当は、こんなことしたくない…」

「本当は、みんなと仲良く過ごしたい…」

「本当は、もっとより良くなりたい…」

「お母さんに大好きっていってほしい…」

と思ってる、やわらかくって、ぶるぶる震えてる

本当の子どもがうずくまっていて、

その子が、少しずつ出てきたような…

そんな体験をしました。


もし子育て中に、

「こいつ!どうにかしないといけない!!」

「困ったやつだ!!」

「悪い子だ!!」

と思った時は、

(もしかして、

柔らかい本当の可愛い子どもが

この中に、入っているかもしれない、、、)

と想像してみると、

ちょっとでも、子どもへの眼差しや、対応が、

変わるのでは?と思います。


そんな本当の子どもに、ぜひ出会ってみてほしいなと思います。



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親プロで子育てする親の会

親プロで子育てする親の会は、香川県の 国立病院機構 四国こどもとおとなの医療センター 児童心療内科 で行われている『親プログラム』(通称:親プロ)を受講修了した母親の体験や学び、親子の変化をまとめたサイトです。