【Uさん】私の親プロ(親プログラム)体験記②
4.始める前の気持ち,最初の日々のこと
行くと決めたものの、まず電話を初めて入れた時、約1年待ちと言われ、そこで「1年もこの状態が続くのか…」と先々の不安があった。1回のクール(サイクル)が、約1年の期間というのも、通う辛さ、しんどさとしか思えなかった。「1年も通うのか…」と。
「仕事も休みとらなければならない」「めんどうだし給料にもひびくし…」と、通う気よりも、マイナスイメージ。(当時の私はすべてに病んでいたから。)
ここに連れてきて、彼は何を思うのだろう。傷つきはしないか。いや、むしろ自分がどんな状況だからここに連れられているのか、思い知るがいい。とさえ思っていた。
もっともっとつらい思いをしている保護者の方もいるから、こんな私が通っていいのか。もっと優先すべき人もたくさんいるはず。でも私もしんどい。とまわりの事も考えていた。
やる気や期待よりも、通うのがしんどいけど、動かなければ。という感覚だった。
5.やっていくうちにどんなことが起きたか
とにかくはじめのころは正直しんどかった。しんどい=今までの私は、子どもに「させよう」「〇〇しなきゃダメ」「〇〇ではダメ」と、型にハメようとしていたから。
「しない、させない」といわれ、歯をくいしばり、もやもやし、イライラし、そこで爆発しそうになった。意味ある?とさえ思った。
それが子どもに伝わっている不安もあったが、感情が抑えきれなかった時もあった。かと思いきや、そのスイッチすら入らず、一日中眠っている事もあった。
親プロの対応を続けていくと、気づけば、子どもの癇癪はおさまり、少しずつ会話が成立するようになった。重く冷たい空気感がなくなっていた。姉弟2人だけにさせておく不安もなくなった。私が「今日は帰りたくない」と思う事もなくなっていった。
「何が起きたか」というより「何も起きなくなった」という言葉の方が、私に適している。
用事だけの会話でなく、笑いまである。手伝いや気遣いまでしてくれる。
一緒に買い物も行くし、私はそれまでは「外に出さなきゃ」という思いで声かけしていたが、今は一緒に行きたいから、誘っている。
2人の事が本当に好きだし、感謝している。2人が家に居ると落ちつくし、子どもたちが居た方が安心する。
本当に嘘のように変わってしまった。
しまいに、息子は学校へ毎日通っている。バレーにも行っている。無気力だった彼が、今は遅刻しまいと、急いで自転車で学校へ行く。提出物も必ず出すし、期限をきちんと守る。
私が支えられている。2人に力をもらえている。2人がいないと私は持たない。そう思える存在。
本当に180度考えが、生活が変わった。
6.もし,このプログラムに参加してなかったら・・・
たぶん殺していると思う。彼の命そのものかもしれないし、考え方や存在を否定して、彼を心から嫌になって、気持ちを押さえつけて、ハートをズタズタにしていたと思う。
もしくは、ひきこもり支援施設に引きずられて、葛藤しながらも寮へ行ってもらい、自分も彼もボロボロになってたと思う。
(昔はネットで施設の検索をよくしていた。最終は施設だな。殺すか殺されるよりましだろう。でも施設に入れたら、生きてても心は死んでいるのと一緒。どちらにしても終わってるし、私にはもう無理。いや、誰が対応しても無理なんだ。と思っていた。)
私も人間崩壊して、もしかしたら薬物に手を染めていたかもしれない。(その方が一層楽だし、何も考えなくてすむであろうと。「あの人ヤバイ」と思われた方が、幸せなんじゃないかとさえ思っていた。殺してやりたいとか、いなくなればいいのにとか、平気で思っていた。)
上記に書いた事は大袈裟ではなく、毎日、朝から晩まで思っていた。一般的に聞くと考えられないと思われるだろう。同じような経験がなければ、そう思って当然だと思う。だから誰にも相談できなかったし、苦しかった。生きていくことに、辛さしかなかった。楽しみも希望も笑いもない。安心も、その見込みもない。人生やめたいとしか思ってなかった。自分が産まれてこなければと思っていた。たぶん本当に誰かが、心か命そのものが、死んでいた。
今はむしろ毎日が幸せで、勇気がみなぎっている。今までの事を、悪い事だとすら思っていない。子どもにも、私にも、ありがとう。そして、私たちをずっとあたたかく受け入れて下さった先生方に、本当に感謝します。一家を救って下さいました。
今ここに、どこの家族よりも、パワーのある家庭である事を、胸を張って言えます。本当にありがとうございました。
0コメント